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鈴木 光弘; 与能本 泰介; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 中村 秀夫; 田坂 完二
JAERI-M 87-044, 151 Pages, 1987/03
ROSA-III計画において、BWRの主蒸気管破断LOCAを模擬した一連の総合実験を実施してきた。本報はその中の格納容器外100%破断LOCA実験結果をまとめ、その主な特徴をBWR再循環ル-プ破断と比較し相似性を検討したものである。この破断実験の特徴は、主蒸気隔離弁閉鎖後に逃がし安全弁から蒸気流出する主蒸気管小破断LOCAになり、自動減圧系作動により減圧し、非常用炉心冷却系作動により炉心冷却が行われると言うプロセスをたどる事に有る。以前に公刊した、他の主蒸気管大破断LOCA実験報告では、系圧力や圧力内容器内水位挙動等について、再循環ル-プ大破断LOCAと大きく異なる特徴がある事を示したが、今回の実験報告では、100%格納容器外主蒸気管破断LOCAが、再循環ル-プの2%以下の小破断LOCAと類似した特徴を持つことを示した。また、圧力容器内インベントリ変化と炉心冷却との関係を明かにした。
鈴木 光弘; 中村 秀夫; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 与能本 泰介; 小泉 安郎; 田坂 完二
JAERI-M 87-043, 220 Pages, 1987/03
本報は、ROSA-III計画において実施したBWR再循環系配管2%破断LOCA総合実験、RUN915と920の実験報告書であり、両実験を比較検討して得た、圧力制御系作動の有無が小破断LOCA事象に及ぼす影響についてもまとめた。圧力制御系は、BWRの主蒸気配管系の圧力制御弁を制御して系圧力を一定の値に保持する機能をもつものである。本実験から、圧力制御系が次の効果を持つことを明かにした。(1)破断初期の系全体のフラッシングを制御する。(2)ダウンカマー水位「低」(L2)信号による主蒸気隔離弁閉鎖を早める。(3)ダウンカマー水位「低低」(L1)信号による自動減圧系作動を早める。一方圧力制御系の炉心冷却条件への影響に付いては、2%破断LOCOの場合、自動減圧系作動後の圧力容器内保有推量に大差ない結果となり、従って、両実験とも同等な燃料棒温度挙動をもたらす事を示した。
熊丸 博滋; 鈴木 光弘; 与能本 泰介; 田坂 完二; J.A.Findlay*; W.A.Sutherland*
Nucl.Eng.Des., 103, p.223 - 238, 1987/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.33(Nuclear Science & Technology)沸騰水型原子炉における大破断冷却材喪失事故時の熱流体挙動を調べる目的で、原研のROSA-III装置と、GE社のFIST装置とにおいて、同一条件の対応実験を実施した。本報は,これらの対応実験より得られたBWR大破断事故の共通事象の特徴を述べるとともに、RELAP5/MOD1コードを用いて実施したBWR,ROSA-III,FIST三者の大破断冷却材喪失事故時の流体挙動の相似性に関する解析結果を述べている。そしてこれらの実験及び解析より、ROSA-IIIとFIST両装置における熱流体挙動はBWRの事故時熱流体挙動を模擬することを明らかにした。両装置個有の特性、例えばROSA-IIIの炉心長は実炉の1/2である点、及びFISTは燃料集合体1体の炉心である点等は、大破断事故時の熱流体挙動に重要な影響を与えないことを明らかにした。本研究は、米国GE社との協力の下で遂行されたものである。
鈴木 光弘; 田坂 完二; 与能本 泰介; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 中村 秀夫; 村田 秀男; 入子 真規*; 斯波 正誼
JAERI-M 85-037, 224 Pages, 1985/03
本報告書は、BWR/LOCA現象の総合実験装置であるROSA-IIIにおいて実施した再循環ループ吐出側配管破断実験の結果をまとめたものであり、既刊の200%破断実験結果と比較することにより、破断面積がLOCA現象に及ぼす影響を明らかにした。吐出側配管破断実験は、破断面積をパラメータにした200%、100%、50%の3実験のみであるが、吐出側配管破断時の現象を支配する要因は、圧力容器から破断口に至る経路の最小choking流路面積にあることを明らかにした。即ちジェットポンプ駆動ノズル面積(Aj)、再循環ポンプ吐出ノズル面積(Ap)、破断口面積(A)とするとき、AAj+Apではchokingの生じるジェットポンプと再循環ポンプのノズルで減圧速度が支配され、AAj+Apでは破断口において減圧速度が支配される。また、3実験の中で50%破断実験が最も高い燃料表面温度を記録した。この傾向は再循環ポンプ吸込側破断実験の傾向と同様である。